リペア、メンテナンスの内容について

当店のメンテナンスについて

診断

自分のギターがどんな状態かわからない!そんな時は是非当店へお持ち込みください。
古いギターでも新品のギターでも調整次第で生まれ変わります。
その場でできる調整から大がかりな修理まで様々ですが、大切なギターが弾きやすくなり、さらに音も良くなる感動を味わってください。お見積もりは基本的には無料です。
電装系の故障や、取り外すパーツが多い場合などは料金が発生する場合がございます。


ネック調整

ネックが順反ると弦高が高くなり、各ポジションで弾き心地が変わってきたり、音詰まりしたり、押弦しにくくなったりして、今まで弾けていたフレーズがうまく弾けなくなるなんてことも。
また逆反りの場合は特にローフレットを弾いた際に弦が他のフレットに接触し、ペシャペシャな音になったりノイズが混ざったりします。

この調整だけで全て解決してしまう修理も少なくありません。
逆に言えば、ネックの反りを弦高調整で誤魔化そうとして、オクターブチューニングがずれてしまって、ピックアップと弦の距離も変わったりしてしまって、
ネックの反りを発端としてギターとしての全体的なバランスが崩れてしまうこともよくあります。


弦高調整

弦高はギター、ベースを演奏する上で弾きやすさに一番直結する要素です。
0.1mmでも変えれば演奏性や出音がガラッと変わります。弾きやすさだけでなく、弾き手の演奏スタイルや好みに合わせて調整します。
エレキギターの場合はネジで調整できる場合が多いですが、アコースティックギターの場合はサドルを削って調整することになります。
理想の出音を考えて弦高を調整するためには、ネックやナット、フレットの状態も重要ですのでナット交換やフレットのすり合わせなどをすることも多いです。


オクターブ調整

ギター、ベース等のフレット楽器は構造上非常にピッチが悪い楽器です。
そのため、各弦の芯線の太さの違いや弦高によるピッチのズレを解消するオクターブ調整が必要不可欠です。
一般的なストラトやレスポールのようにネジでの調整だけで済むギターもありますが、フロイドローズなどのように、毎回弦を緩めなければならないものもあったり、いずれにしても専門家による細かい調整が重要になってきます。

また、アコースティックギターの場合はサドル上部を削っての調整となります。
市販のサドルでも新品の状態で各弦に段差が付いているものもありますが、ギターやゲージに合わせてさらに調整することによって、澄んだ和音を奏でることが可能になります。

特に、ツインギターや鍵盤楽器など他の和音楽器と共演する機会の多いプレイヤーの方にとって特に重要な調整です。
こちらもネックやナット、フレットの状態によってオクターブが合わないこともあります。その場合は別のメンテナンスも含めて調整していきます。


ナット調整、ナット交換

ナットは弦振動をネックボディに伝える非常に重要なパーツです。
ナットの溝が浅いと特にローフレットで押弦がしにくく、逆に深すぎると開放弦がビビってしまいます。
また、一度削ったら戻せない言わば消耗品という側面もあるため、ここでリペアマンの技術がわかる!とも言われています。

素材も金属から象牙まで様々なものがありますが、当店では基本的に牛骨(削り出し)を使用しています。
油分が残っているのですべりもよくチューニングの安定度も高い素材です。

市販のギターは所詮工業製品ですので、ナットにプロの手を加えてやると、生音の鳴りに劇的な向上が計れます。
特に低音が豊かになり、ギターのランクが上がったように感じます。

また、チューニングやチョーキングした際によく聞く、ピキッという音は、ナット溝がうまく切られていないという赤信号です。
チューニングの狂いに関して良いとされているオイル漬けのナットなど、色んな素材のものがありますし、高級で多機能なペグも売っていますが、一番重要なのはナットの溝切りの精度です。


フレット交換・すり合わせ

フレットの状態というのはプレイアビリティ、サウンドに直結するギターの一番大事な部分です。
弦が直接触れる箇所で、音程を決める場所ですから、ピッチ、音色の良し悪しもここにかかってきます。

フレットかなり凹んでる場合でも7~8割くらいはすり合わせで解決できます。
フレット交換を強く勧めてくるリペアマンもいますが、フレットを交換してしまうと、ギターのサウンドにどうしても大きい影響が出てしまうので、
当店ではお客さまの状況に合わせて、プレイヤー目線でケースバイケース施工します。

施工の際には弦を張ったままのネックの状態を維持出来る冶具を使用し、かなり精度の高い調整が可能です。
ビシッと弦に対して真っ直ぐになったフレットは、新品の状態よりも良くなったと思われる方が多いです。

交換の場合、様々なメーカーや大きさ、形の中からプレイスタイルやサウンドにあったものを選択します。
ここでもまた、フレットを抜いた時点で指板が真っ直ぐであることが非常に重要です。
捻れやハイ起きなどの木の歪みをこの時点で指板成形によって根本的に解決することが出来ます。


サーキットメンテナンス・カスタマイズ

音が出ない、ノイズが酷い等の症状で持ち込まれるギター、ベースの故障の原因で一番多いのがジャック不良です。プラグ抜き差しの多い消耗品ですからね。
国産やアジア製のピックアップセレクター、レバースイッチなども壊れやすく、よく交換します。

ミニスイッチなどを用いたコイルタップや、サーキットの改造で何通りものピックアップの組み合わせで音を出すことが出来ます。
ちなみに、個人的にこれは使える!と思うの改造はローカットスイッチ、もしくはローカットヴォリュームです。
世の中のアンプはかなりローが出すぎていてブーミーになってしまうからです。
ボリュームにハイパスコンデンサを追加するのは一般的ですが、ハイを出すためにボリュームを絞る必要があるのが難点です。
ローカットの方が実践的なプレイヤーの方にはお勧めです!

コンデンサーや配線材の交換も人気があるメニューです。
ヴィンテージのものも含めて、数十種類の取り揃えがあります。

ただ上記の作業のキチッとした半田付けの技術が必要となります。
中古楽器の前オーナーによる半田付けが原因でトラブルになり持ち込まれるものもあったりします。
うちは半田ゴテを使わない日はないほど熟練しています。安心してお任せください。


ピックアップ交換

電気楽器であるエレキギターの本体の中で、最終的にアンプから出力されるサウンドへの影響力が一番大きいのがピックアップです。
コンデンサーや配線などにこだわる前に、ピックアップで大まかな方向性を決めてしまうのが理想のギターサウンドに近づく近道です。
街角やテレビでふいに流れてくるギターサウンドを聞いて、これはオレンジドロップ使ってるな~とかバンブルビーだ!とかって絶対わかりませんよね。だけどハムバッカーだな!位はわかります。
つまり、それだけ出音に占める割合が大きいという事です!

世の中には市販されているものだけでも何千種類ありますので、なかなか理想的なものにたどり着くのは難しいかもしれません。
当店ではオリジナルの手巻きピックアップを製作しているほか、ピックアップを手軽に交換して試奏できる特殊なギターを用意しているので、困ったときは是非ご相談下さい。


その他メンテナンス、カスタマイズについて

以上が主に基本的な内容になりますが、その他にも「レスポールの軽量化」「ネックポケットの角度付け」「自社ピックアップ取り付け」「チューニングの狂わないアーム加工」などなど、多くの修理に対応します。どのような内容の修理をしているかはブログで更新しておりますので是非ご覧ください。